- Index:
領収書等のスキャナ保存制度の緩和
みなさん、領収書等は原本を保存する義務がありますが、例外として電子データで保存することが認められる「スキャナ保存制度」をご存知でしょうか?
実はこの制度、10年以上前から存在していたのですが、その利用要件のハードルがあまりにも高く、年間の承認件数が全国で10件程度しかありませんでした。
ところが最近の税制改正により、次のように要件が緩和され、かなり使いやすい制度となりました。
- 領収書等3万円未満に限る、という制限の撤廃(全てOKに)
- 保存の都度の電子署名が不要(代わりにデジタル化した日時を証明する「タイムスタンプ」3日以内の付与が必要)
- 固定スキャナだけでなく、スマホ等の撮影でも可能
- 事務チェック体制として最低3人の事務員が必要だったが、小規模企業者は顧問税理士の定期検査のみでOK
税務署への事前申請と3日以内のタイムスタンプの付与が必要と、まだ重要な要件が残っており気軽には利用できませんが、領収書等のスキャナ保存を導入しやすい環境は加速的に整いつつあります。詳しくはお問い合わせください。
(代表 山田義之)
平成28年度・改正建設業法の概要とポイント
平成28年4月に「建設業法施行令の一部を改正する政令」が公布され、6月より施行となりました。改正の概要とポイントをお知らせします。
一般建設許可業者の下請発注金額(合計)の上限の引上げ
建築一式工事:税込4,500万円未満 → 税込6,000万円未満
上記以外の建設工事:税込3,000万円未満 → 税込4,000万円未満
※特定建設業許可や監理技術者の配置、施工体制台帳作成が必要となる工事についても、同様に変更されました。
現場専任の配置技術者を要する建設工事の請負代金の引上げ
建築一式工事:税込5,000万円 → 税込7,000万円
上記以外の建設工事:税込2,500万円 → 税込3,500万円
※現場専任の配置技術者は、その工事が完了するまで別現場の配置技術者になる事はできませんので、同時期に複数の工事現場に配置できなくなります。
「解体工事業」が建設業許可業種として新設
解体工事はとび・土工工事業の一部に含まれていた(従来)
→ 解体工事だけを手掛ける専門許可業種として分離・独立
建築一式工事や土木一式工事で作られた建築物や工作物だけを壊し、新たに建設や新築をしないケースのみが解体工事業に該当します。税込500万円以上の解体工事を請負う場合は、この新設の「解体工事業」の許可を取得することが必要となってきます。
※今回の法改正前から「とび・土工工事業」許可を取得していた許可業者は、平成31年5月までの3年間は経過措置とされていますので、既存の「とび・土工工事業」の許可で解体工事業を続けることができます。平成31年6月以降は、解体工事業の業種追加取得の申請手続が必要になりますのでご注意ください。
ヤマダ会計では、行政書士による建設業許可の申請・届出代行業務を行っております。
新たに許可が必要な方、許可継続のための申請手続や届出でお困りの方はヤマダ会計にご相談
ください。
(行政書士 島田周一)
年金資産は自分で運用?
少子高齢化により将来の支給が心配されている公的年金。昨年平成27年度の運用実績は
5兆3,098億円の損失でした。過去15年間通算の収益額は45.4兆円とプラスではありますが・・・不安ですよね。
そこで今回は国民年金とは別口、個人で運用する確定拠出年金をご紹介したいと思います。個人で運用と聞くと特別な知識がなければいけないのでは?と思われがちですが、実際の取引は、プロに任せるいわゆる“投資信託”と同じ形態です。以下、内容を簡単にご説明します。
所得税制上の優遇処置
まず支払った掛金の全額が所得控除されます。
(例:月2万円の支払・税率20%とした場合、年間4万8千円の節税!)
また、運用益が出た場合も非課税となります。
そして給付金の受給時には、一時金で受け取る場合には退職所得控除、年金で受け取る場合には公的年金控除が適用されます。
運用先の選択
国民年金は通常、年金積立金管理運用独立行政法人という法人が一括管理しており、リスクが少なくなるよう運用を行っていますが、当然運用先については任せきりです。
一方確定拠出年金の場合には、運用先は自分で選択することができ、途中での運用先変更・金額の増減も可能です(手数料が掛かります)。また、運用先については元本が保証された預金型からハイリスクハイリターンな外国への投資等、多岐に渡ります。
掛け金の管理
個人の確定拠出年金の場合、年金資産を自己管理しているため、掛金と運用実績が直接給付金額に反映されます。うまく運用すれば給付金をより多く受け取れますが、逆もまた然りで、支払った掛金より少ない金額しかもらえない場合もあります。
また、一度掛け始めてからは原則60歳までは解約することができず、資産口座の管理として手数料も発生してきます。資産の長期的な運用になりますので、掛金の金額等、無理のない計画が必要不可欠です。
個人型確定拠出年金は、銀行や証券会社、生損保会社で取り扱っています。「預金」や「投資」以外に老後資金に備える方法の一つとして、お考えになってみてはいかがでしょうか?
(太田 航平)
※参照:「個人型確定拠出年金」https://www.ideco-koushiki.jp/