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世界最大手企業がまさかの・・・
2015年上半期の世界販売台数で、トヨタ自動車を抜いて首位に立ち、通年での首位も視野に入っていた自動車大手フォルクスワーゲン(VW)。
ところが今年9月に業界を揺るがす衝撃的なニュースの発表、米環境保護局(EPA)はVWが排ガス規制逃れのために違法ソフトを搭載していたと告発しました。2兆円以上の罰金を科される可能性もあり、更にリコール対象車は1,100万台にも達するとのことです。ブランドにしてきた「クリーンディーゼル」が実はまったくクリーンではなかった?あってはならない企業の不正疑惑で信用は失墜、その信用を回復させるためには、大変な時間と資金が必要となるでしょう。
世界に冠たるブランド力を有するドイツ車、その最大メーカーの不正疑惑の影響は単にVWだけに留まらず、世界経済にも影響を及ぼしかねません。今後の動向が注目されます。
(代表 山田義之)
建設業界から見える若年労働者の確保・育成課題
国や県が建設業者の経営状態を客観的に点数評価する「経営事項審査(経審)」は、平成27年4月、審査項目が一部改正となりました。
その中でも話題となったのが「35歳未満の技術者の雇用人数比率」に対して追加得点を与えるという内容です。
しかも新規採用だけでなく、継続雇用についても更に、別評価している事から、行政庁が建設業界における将来の労働者不足や若年技術継承者不足を深刻に受け止めていることが分かります。
過去の公共工事の需要低迷イメージなどから、世間一般では建設業界の労働力不足に対する危機意識はまだ高くありませんが、将来は、震災からの復興、東京オリンピックの開催、公共建造物の耐震強化、老朽化したインフラの再整備など、建設業界の仕事量が一気に増加する可能性があります。
急速に担い手不足となることを想定し、今から若い労働者を確保しながら、優秀な技術者を育成しておくことは、企業の将来の業績を大きく向上させると考えられます。
この若年労働者の確保・育成課題は、建設業界だけの問題ではありません。運輸業のドライバー不足や介護の現場など、さまざまな業界で表面化してきています。熟年労働者の定年延長や再雇用などの人材引き止め策も大切ですが、ベテランの技術・技能を引き継ぐために、長期的な視点に立って若い人材の積極採用も考えてみてはいかがでしょうか?
(行政書士 島田周一)
弱者の味方?雑損控除ってどんなもの?
記録的な大雨だった平成27年9月。こんなにも雨が怖いと思った ことは、初めてです。鬼怒川の堤防決壊のニュース等、 大雨の甚大な被害は記憶に新しいところではないでしょうか?
ヤマダ会計周辺も道路が冠水しましたが、浜松市内でも今回の大雨で浸水して家の畳を替えたとか、車が故障したという方がいらっしゃるかもしれません。予期せぬ出費で困りますよね。
そんな時に助けになるのが「雑損控除」です。
これは、災害に遭ってしまったにも関わらず、被害を受けていない人と同じ納税額のままでは不公平なのでそれを調整しましょうという趣旨の所得控除のひとつで、医療費控除などと同じように確定申告することで納税額を少なくすることができます。
要件
下記を満たす「納税者」及び「生活を一にする所得38万円以下の配偶者や親族」が、資産の所有者の場合に利用できます。
- 損害を受けた資産が「生活上必要な資産」であること
- 損失の発生原因が「災害、盗難、横領」であること
- 保険金等を補てんしても超過してしまった支出があること
ポイントは、「生活上必要な資産」であるという点です。宝石などの貴金属、書画、骨董等は一個又は一組の価額が30万円超のものは対象となりません。また、同じ被害を受けた車であっても、レジャーにしか使わないような車は対象とはなりません。
算出方法
- 損害金額+災害等関連支出-保険金などの補てんされる金額 -(その年の総所得金額等×10%)
- 災害関連支出-5万円
のうちいずれか多い金額
※「災害関連支出」とは、災害による取壊費用や被害箇所を元通りに修復するためにかかった費用等です。「災害等関連支出」には盗難・横領が入ります。
確定申告の際には、領収証や被害届の証明書等の添付が必要になります。公的機関に被害の申請を行い、書類を保管しておく等、早めに準備をしておきましょう。
雑損控除の他に、「災害減免法による所得税の軽減免除」(所得制限有り)もあります。どちらかの選択適用ですので、実際に計算してみて税金が安くなるほうを選びましょう!
ちなみに、現在横行している『マイナンバー詐欺』ですが、詐欺は雑損控除の適用外です。詐欺や恐喝は自らの意思で金品を支払っており、災害などの『予期せぬ出来事』とは異なる、という理由からですが、踏んだり蹴ったりですよね。くれぐれもお気をつけください。
(鈴木 仁)