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経営改善計画の補助金申請急増!
中小企業が銀行から融資や条件変更を受けたい時、経営改善計画の提出を求められるケースがあります。
この改善計画の作成費用の2/3を国が補助する制度について、平成26年8月号でご紹介しました。
この時は、まだ利用件数が伸びていないともお伝えしましたが、掲載後の平成26年9月以降、補助金制度の利用申請が急増。12月末には、全国で6千件を超える申請数になりました。利用拡大の要因は、利用申請をしやすいような環境に整ってきたことにあるようです。
この補助金制度、平成27年3月末で終了予定となっていましたが、申請期限がなんと撤廃!されました。時間がなく諦めかけた方もぜひ利用をしてみてください。
(代表 山田義之)
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NISA(ニーサ)=少額投資非課税制度
NISAとは、「株や投資信託(投信)などの運用益や配当金を一定額非課税にする制度」です。
証券会社や銀行等の金融機関でNISA口座を開設し、上場株式や株式投資信託等を購入すると、本来20.315%(国税15.315%、地方税5%)が課税される運用益や配当金が、非課税となります。
購入できる金額は年間100万円までで、非課税期間は5年間です。
NISAは利益が出た場合、メリットが大きい制度です。しかし、損失が出た場合は逆にデメリットとなります。以下箇条書きにしてみました。
メリット
- 期間中の利益が全て非課税(5年間・年間100万円までの投資)
- 手元資金が税金で目減りしないため、少額の資産運用に向く
デメリット
- 期間終了後には通常通り課税される
- 損益通算・繰越控除(3年)を適用できない
また、税制改正案の段階ではありますが、平成28年分から下記の変更が予定されています。
<NISA口座の非課税枠の増額>
現行:100万円 → 改正案:120万円
<子ども版NISAの新設>
20歳未満の者。年間80万円までの投資枠。
NISA、検討してみてはいかがでしょうか?私自身も今年は株取引に挑戦してみようと思っています!
(リーダー 二橋俊明)
平成27年度 与党税制改正大綱、速報!
平成26年12月30日、与党による平成27年度税制改正大綱が発表されました。可決成立は、例年通りですと、通常国会での審議を経て3月末頃となる見通しです。国会の審議により内容が変更となる場合もありますので、まずは速報として簡潔にお伝えしたいと思います。
以下、中小法人・中小企業にスポットを当て、抜粋してご紹介します。
中小法人・・・資本金1億円以下の法人
大法人・・・・資本金1億円超の法人
法人税 ~成長志向に重点を置いた法人税改革~
★法人税の税率を引き下げ
<中小法人の特例>
- 年800万以下の所得金額の軽減税率15%の適用を2年延長
(平成29年3月31日までの間に開始する事業年度まで)
- 年800万超の所得金額の税率引き下げ(大法人と同じ)
現行 : 25.5%
改正案 : 23.9%(平成27年4月1日以後開始事業年度より)
★欠損金の繰越控除限度額を段階的に引き下げ(大法人等)
中小法人(大法人の100%子会社を除く)は、所得金額全額(100%)控除の現行制度を継続(平成27年4月1日以後開始事業年度より)
★繰越欠損金の繰越期間を延長
現行 : 9年
改正案 : 10年 (平成29年4月1日以後開始事業年度において生じた欠損金より)
★所得拡大促進税制の雇用者給与等支給増加割合の要件緩和
現行 : 中小法人 … 5%以上
改正案 : 中小法人 … 3%以上(平成28年4月1日以後開始事業年度より)
★太陽光発電設備の即時償却の廃止
(平成28年4月1日以降の取得から廃止)
消費税 ~社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革~
★消費税率の10%への引上げの延期
現行 : 「施行日」 平成27年10月1日
改正案 : 「施行日」 平成29年4月1日
<10%への引上げに係る経過措置(請負工事等)の指定日の変更>
現行 : 「指定日」 平成27年4月1日
改正案 : 「指定日」 平成28年10月1日
★消費税転嫁対策措置法(※)の期限を延長
現行 : 平成29年3月31日
改正案 : 平成30年9月30日
※「総額表示」義務が緩和されている根拠の法律
これにより事業者は、平成25年10月1日から、消費税を含めない税抜価格のみを表示することが可能になっています。(たとえば【税抜100円】と値札をつけ誤認防止されていれば、総額表示の【税込108円】がなくてもよい。)
この法律の期限が到来すると、元の税込表示が強制されるようになります。
税制改正については法人税実効税率の引き下げ等、メディアでは減税だと報じられますが、中小企業にとっては残念ながら現状維持といった印象ですね。
その他、海外からインターネット経由で配信される音楽や電子書籍等への消費税課税を行うべく、「国内取引」を消費税の対象とする現行制度と両立させる為の、かなり難解な変更も予定されています。
改正案成立まで、まだまだ目が離せませんね。
(リーダー 土本佳奈)
相続税課税強化! 平成27年1月からの改正項目
平成25年度税制改正分の相続税課税の強化が、この平成27年1月1日より、いよいよスタートしました。
昨年の暮れから、新聞・テレビ等でも取り上げられ、何かと話題となった相続税関係の改正について、今一度その改正内容を概観してみたいと思います。
相続税の基礎控除の引き下げ
遺産に係る基礎控除額が改正前の6割に縮小されました。
これにより、相続税の課税対象者が4%から7%程度に増加することが予想されます。
(課税ベース拡大)
相続税及び贈与税の税率構造の見直し
相続税・贈与税とも、税率区分が6区分から8区分に変更され、最高税率が改正前の50%から55%へ引き上げられました。
また、贈与税については、直系尊属から直系卑属が贈与を受けた場合の税率構造を緩和する特例が新設されました。
『相続税』
『贈与税』
~用語の説明~
- 直系尊属 ・・・父母や祖父母のこと
- 直系卑属 ・・・子や孫のこと
未成年者控除や障害者控除の引き上げ
相続税の計算上、相続人が未成年者または85歳未満の障害者の場合に、相続税額から控除できる金額が引き上げられました。
<未成年者控除>
改正前 : 6万円 × 20歳に達するまでの年数
改正後 : 10万円 × 20歳に達するまでの年数
<障害者控除>
改正前 : 6万円(特別障害者は12万円) × 85歳に達するまでの年数
改正後 : 10万円(特別障害者は20万円) × 85歳に達するまでの年数
相続時精算課税の適用対象者の範囲の拡大
65歳以上の直系尊属より20歳以上の直系卑属(推定相続人を含む)への贈与に関して1人当たり2,500万円まで贈与税が非課税になります。
また、直系卑属の適用対象者に20歳以上の孫が加えられました。
さらに贈与者の年齢要件が65歳から60歳に引き下げられました。
小規模宅地特例の見直し
小規模宅地等の特例とは、相続税の計算上、被相続人等の自宅や事業用の敷地の評価について、一定の要件のもと高額な減額が認められているものです。
また、居住用宅地の適用対象面積が改正前240㎡から改正後330㎡に拡大され、事業用宅地と居住用宅地との完全併用が可能となりました。
【居住用宅地の適用面積拡大】
【居住用と事業用の完全併用】
上記の改正により相続税の課税対象者が拡大し、今まで相続税に無縁であった方まで、納税が必要になってくるケースも想定されます。
相続税シミュレーションの実施等、個別的なご相談がありましたら、ヤマダ会計までお問い合わせください。
(税理士 大石和寿)