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“笑顔相続”の水先案内人 相続診断士
「相続診断士」という資格があることをご存知でしょうか?『一般社団法人 相続診断協会』が認定する民間の資格です。相続を円滑に進めるための相談・助言を行い、必要に応じて弁護士等の専門家との橋渡しをする。そういった能力を持つスペシャリストを認定するものです。
今、世の中にはトラブルを抱えた相続事案がたくさんあります。原因の多くは、『相続に対する準備不足』です。“相続はお金持ちだけのこと”という誤った認識があるのでしょうか、あらかじめ相続について考え、相談し、対処しておけば、問題が複雑にならなくて済んだのに・・・。
そういう事例が多いのです。そこをカバーするのが相続診断士です。
ヤマダ会計も多くの相続事案に取り組んできましたが、みなさん相談する際に「士業ゆえの敷居の高さ」をどうしても感じられるようです。もっと気軽に、しかも的確なアドバイスを受けることができる仕組み作らなければいけない!そのひとつとして、相続診断士を増やしていく活動に協力していくことにしました。
「争続」から「笑顔相続」へ、相続問題を少しでも良い方へ変えていきたいです。
(代表 山田義之)
このところ見なくなったと思いませんか?~長者番付~
所得税額が1,000万円を超えた人の氏名・住所・納税額が公示される「高額納税者公示制度(長者番付)」。高額納税のスポーツ選手や芸能人などがマスコミなどでも取り上げられていたご記憶があると思います。実はこの制度は2006年に廃止されました。
そもそもこの制度は、「納税者の過少申告を防ぐ心理的効果」「第三者のチェックを受けるというけん制的効果」があるとして1950年に導入されました。
しかしその結果、高額納税者の名簿が簡単に入手できることにもなりました。そのため公示された人のもとには営業目的のダイレクトメールが殺到したり、セールスマンからの勧誘や寄付の強要などが多発しました。また、本人やその親族が身代金目的の誘拐など、犯罪の対象になる恐れもあり廃止が求められていました。
そうして、目的外の利用や犯罪を誘発しているなどの理由と、2005年4月からの個人情報保護法の全面施行もあり廃止となったのです。ただ、長者番付に載ることを夢見て、起業して頑張っていた人にとっては残念だったかもしれませんね。
ちなみに、制度最後の2005年に公示された高額納税者のトップは投資会社の社員の方で、納税額は37億円弱でした。なお、歌手部門のトップは、宇多田ヒカルさんで約3.6億円。俳優・タレント部門は、みのもんたさんの約2億円。プロスポーツ選手部門は、佐々木主浩さんの約2.3億円でした。こうしてみるとその時代に活躍していた人がわかり、当時の事が思い出されますね。
(鈴木亜希子)
暮らしに役立つ!? 税金“ワン”ポイント
Q:競馬で万馬券が当たったら…税金ってかかるの?
A:たくさん儲かったら、税金はかかります!
所得税法上、競馬の馬券・競輪の車券の払戻金は、懸賞の賞金品等と同様に「一時所得」扱いとなり、税金が課されます。
但し、一時所得の計算上、特別控除額50万円を引くことができるので、「たまたま買った100円の馬券10枚のうち、1枚が万馬券となり、払戻金が3万円だった!」という場合、儲けは29,900円で、他に一時所得が無ければ50万円の範囲内となり税金がかかることはありません。
また、無記名で現金での購入・払戻しが可能な馬券の構造上、儲かったことが補足されにくい為、一般の競馬ファンには「課税される」という意識が低いのが現状です。
ところが最近、馬券で税金を課された裁判がニュースになりました!
競馬の払戻金の儲けを申告していなかったとして、元会社員の男性が所得税法違反に問われていた事件。払えと言われていた税額はなんと5億7,000万円!で、争点になったのは「ハズレ馬券」の購入費用を経費として認めるか否かという点です。
ざっくりいうと、「一時所得」だとハズレ馬券の購入費用が「経費にならず」、「雑所得」だと「経費になる」という違いでした。
このケースは、元会社員が、資産運用の一環としてインターネットでの馬券購入をしており、当初100万円の元手から馬券自動購入のソフトを活用する等して3年間で28億円もの馬券を購入していたいわゆる“プロ”だったことなどから事業性・継続性が認められ「雑所得」と大阪地裁は認定、税額は5,200万円と大幅に減額されました。税務上画期的な判決です(現在、検察が控訴し係争中)。
結論は、普通に競馬を楽しんでいるだけなら「一時所得」が適用され、たくさん儲かれば税金が課される、ということ。ハズレ馬券が経費なら、大半の競馬ファンはトータルで損をしており、儲けどころか赤字(JRA公表の払戻率は75%、つまり100円投資した場合の回収金額は75円。)という現実はお忘れなく・・・。
(リーダー 土本佳奈)