- Index:
【今月のトピック】
(1)富士山静岡空港、難産のすえ開港!
(2)こんなときだからこそ、他社との差別化を!
(3)「脱税」って、するとどうなるの? ~ H20年 国税庁公表より ~
富士山静岡空港、難産のすえ開港!
6月4日に地元の富士山静岡空港が開港。建設地決定から20年以上が経過しており、まさに難産のすえの開港でした。建設には賛否両論ありましたが、みなさんはいかがでしょうか?
開港後連日大にぎわいを見せているようですが、ほとんどが見物客とのこと。懸念の通り、赤字のスタートのようです。
実は、初年度は飛行機がすべて満席になっても赤字といわれているのですが、搭乗率は苦戦が続いています。その上、JAL福岡便については搭乗率が70%に満たない場合、県から日本航空に対し支援金を支払うという搭乗率保証があります。つまり、搭乗率が低いと「税金が投入される」ことになるわけです。
我々の身近な空港としては中部国際空港の開港が記憶に新しいところですが、当時とは経済状況も大きく異なってきており、双方の開港時を比較するとあらゆる点で富士山静岡空港は苦戦しそうです。今後、経営努力が厳しく要求されるのは間違いないでしょう。
(代表 山田 義之)
こんなときだからこそ、他社との差別化を!
昨年末からの世界的な不況の中、経営者の皆様は無論のこと、従業員の方々もその状況をひしひしと感じていることでしょう。こんなときだからこそ、他社との差別化を図ることが重要ではないでしょうか?それには、“自社の経営資源”、“自社が置かれている経営環境”を把握し、何ができるのかを考える必要があります。
その方法の一つとして経営環境分析(SWOT※分析)というものがあります。「自社の【強み】、【弱み】を知り」、「自社の経営資源やアイデアを、どのような【機会】を利用し、活かすのか」、また、「どのような【脅威】を取り除き、事業を発展させられるのかを考え」、行動することが大切になります。分析結果と決算診断をベースに、自社の強みを生かした経営戦略の立案を行い、新商品やサービスを研究してみてはいかがでしょうか?
※SWOT・・・【強み】Strength【弱み】Weakness【機会】Opportunity【脅威】Threatの頭文字からきています。
静岡県の西部地域は、特に製造業・建設業が厳しい状況にあり、『現在の事業を維持する資金にも欠く状況にあり、将来に向け戦略投資などとてもできない。』というのが現状かと思います。こうした各地の状況を踏まえ、政府は昨年末より中小企業向けの緊急融資制度や緊急雇用安定制度の創設等を行ってきました。さらに、6月12日「平成21年度中小企業者等に対する特定補助金等の交付方針」を閣議決定し、当初予算に補正予算を加え支出目標額は1,120億円程度としており、昨年度目標額400億円に比べ、2.8倍とより利用しやすくなっています。
既に緊急融資制度や雇用安定助成金については、活用されている方も多く、もうご存知かと思いますが、それ以外にも中小企業向の助成制度は数多くあります。例えば、研究開発等に関する助成金として、浜松商工会では「やらまいか浜松」、全国中小企業団体中央会の「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」、中小企業庁による中小企業地域資源活用プログラム等※様々な助成が受けられます。また、人件費についても雇用能力開発機構の「中小企業基盤人材確保助成金」等が設けられ、新規事業を行う、経営革新を行いたいと思っている企業の後押しをしてもらえます。
※参考 : H21年度版 中小企業施策利用ガイドブックピンチをチャンスに。
自社の強みに磨きをかけ、独自性を創造し、他社との差別化を図ることが必要ではないでしょうか。
(小田木 康)
「脱税」って、するとどうなるの? ~ H20年 国税庁公表より ~
毎年6月に国税庁が「査察の概要」を公表しています。「査察」、というとピンとこなくても「マルサ」と言えばわかりますよね。ニュース等でも報道されていますので、脱税したお金を、いかにして隠していたかという衝撃映像!?をご覧になったことがあるのでは?
この公表結果によりますと、H20年度の査察の着手は211件、着手後当年度に処理済となったのはうち208件、そのうち検察への告発※は153件です。208件の脱税額は総額でなんと351億!まじめに申告・納税されている多くの会社・個人事業主の方は怒り心頭ではないでしょうか? ※告発されるとほぼ100%有罪となり、刑事罰を受ければ刑務所行きとなります。
告発の多かった業種は、常連の「キャバレー・飲食店」を押さえて「鉱物・金属材料卸」、「不動産業」、「人材派遣業」、「商品・株式取引」が挙がっています。それぞれ、当時の景気情勢動向(鉄くず等の高騰、地価の高騰、人件費の抑制→派遣を活用、FXの流行)により盛況だった業種で、急に上がった利益に対する税金を何とか逃れたいという経営者の思いが透けて見えます。
それぞれの脱税の手口としては、以下のとおりです。
「鉱物・金属材料卸」 ・・・ 売上を除外する。
「不動産業」 ・・・ そもそも申告をしない。(無申告)
「人材派遣業」 ・・・ 給料を外注費と装うことで消費税の控除を水増し。消費税を脱税する。
「商品・株式取引」 ・・・ FX取引の利益の除外。
また以前から、架空原価・架空経費の計上、売上除外、実際の収支に基づかない、いいかげんな所得金額での申告は多く見られるそうです。
脱税によって得た利益は、現預金・有価証券として所有、さらに高級外車や金地金、不動産やブランド品の購入に充てられていたとのこと。これらの隠し場所として、H20年度に報告されていたのは、畑の土中(現金)・居宅ロッカー内(金地金)・居宅エレベーターの床下の機械装置内(現金)・居宅米びつ&ポット内(現金)・風呂場の天井裏(現金)等です。頑張って隠したんですね・・・。前年の19年度には、鉄道模型の中や 寝室のクローゼットにつるした芳香剤の中なんていうのもありました。ここなら解らないだろう!というのも査察官からみれば、よくある隠し場所、ということなのでしょう。
みなさん、いかがでしたか?国税庁が、いかにして税金をごまかしたか?・どこに隠していたか?という脱税手法まで公表するのは、「こうした手口は国税庁も解っているから、やってもムダだよ!」という抑止効果を期待してのことです。日々税務会計に携わる私達からすると、「よくもまあここまで頑張っちゃったなぁ・・・」と思う反面、「もっとまともな節税を指導してくれる人が周りにいなかったのかなぁ・・・」と気の毒にもなります。マネしようなんて思わないで、真面目に申告・納税しましょう!「脱税」ではなく、「節税」のご相談はヤマダ会計の各担当者までお願いします。
(リーダー 土本佳奈)