【今月のトピック】
(1)上場企業3社に1社が赤字!
(2)『役員給与の改定は、慎重に!』
(3)≪自動車課税の減税・補助金≫
上場企業3社に1社が赤字!
09年3月期決算法人の業績が発表されました。上場企業1,553社のうち552社が最終赤字。177社だった前年度の3倍となり、ITバブルが崩壊した’02年3月期の502社を上回る結果となりました。特に、輸出産業の自動車及び電機業界は総崩れという様相です。
しかしそんな中でも好調な業界はあります。業績を伸ばしている企業はなんと7社に1社はあるそうです。
例えばビデオレンタル業界、インターネット通販、家庭用ゲーム機など、家庭に居ながらにして安価で楽しめるもの。また、消費者が自宅で食事をするいわゆる「内食化」の進展によって家庭用の食品業界も好調となりました。レトルトカレーなどが好調のようです。
景気が悪くなると消費者はなかなか外出したがらなくなりますし、またその一方で安くて良い物を求める傾向になります。こうした顧客のニーズを的確に捉えられれば、100年に1度の大不況といえども十分良い結果を出せるということです。「ピンチをチャンスに!」、なんとか 不況脱出の糸口をみつけていきましょう。
(代表 山田 義之)
『役員給与の改定は、慎重に!』
現下の急速な経営環境悪化の中で、経費削減に挑む企業が多くなりました。その際、役員給与にまでメスを入れることも少なくありません。この「役員給与にメス(減額)」ですが、減らすからといって安易な改定は禁物です。従前と異なり、定期同額給与に該当しない役員給与の改定は、原則損金にならなくなってしまうからです。経費削減のつもりがうっかり増税、なんてことにもなりかねません。
定期同額給与となる役員給与の業績悪化改定事由には、法人税基本通達9-2-13により「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」と規定されております。実際に減額を行う際には、下記のような場合に限られますのでご留意ください。
1) ≪株主≫との関係上、役員としての経営上の責任から役員給与の額を減額せざるを得ない場合。但し、同族会社のように「役員と株主が一体」である場合に注意!悪化に伴い、役員だけでなく従業員の給与賞与も同時にカットしているなど減額せざるを得ない客観的かつ特別の事情を具体的に説明できるようにしておく必要があります。
2)≪取引先銀行≫との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合。
3) ≪取引先の利害関係者≫からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額の減額が盛り込まれた場合。
4)上記1)~3)以外の場合であっても、経営状況の悪化に伴い、 ≪第三者である利害関係者≫との関係上、やむを得ない事情がある際も該当することと考えられますが、この場合にも客観的かつ特別な事情を具体的に説明できるようにしておく必要があります。
業績や財務状況、資金繰りの悪化といった事実が生じていたとしても、利益調整が目的の減額ととられてしまう場合もあります。役員給与の改定に関しては慎重に、そしてご検討の際には是非一声お掛けください。
(刑部圭祐)
≪自動車課税の減税・補助金≫
従来、自動車に係る税金(自動車税・自動車重量税・自動車取得税・ガソリン税等)は高い!と言われてきましたが、09年4月から新グリーン税制が始まり、“自動車税・自動車取得税・自動車重量税”が減税されます。4月以前にもグリーン税制による減税はありましたが、今回は減免範囲が拡大され減税額も大きくなりました。さらに経済危機対策として、基準を満たした環境対応車を購入すると最大25万円の補助金まで出ます。では、減税・補助金の概要について見てみましょう。
○新グリーン税制(エコカー減税)
<減税期間>
自動車取得税:H21年4月 ~ H24年3月末までの登録
自動車重量税:H21年4月 ~ H24年4月末までの登録
自動車税:H20・21年度中の新車登録(登録の翌年分を軽減)
○エコカー補助金(買い換え・購入)
<実施期間>
H21年4月10日 ~ H22年3月末までの新車登録(予算枠いっぱいとなった場合は早期終了も有り得ます。
少し見ても複雑な内容だと思われたでしょうが、減税は大きなものとなっています。車の買い換えなどを検討されている方は、補助金も併せ活用してみてはいかがでしょうか。
(チーフリーダー 玉澤一雄)